前回のILS侵入の方法①の続きを書こうと思ったのですが
やっぱり高度維持を先にしないとそれに気を取られてILSどころじゃないとなりそうなので
先に書くことにしました
いままでは飛行状態を上から見て、 その横方向の動きをナビの自動操縦で楽にできるようになりました
今度は飛行状態を横から見て、上下方向を考えてみます
手動での操縦では 上下の動きはこうなります
指定高度を維持し続けるというのは 想像以上に難しいものです
それを 自動操縦にすると
その間、飛行高度を自動で定位置に維持してくれます
その分操縦者は 次の着陸の準備などができる余裕がうまれます
高度固定のセット方法
以前書いたように、G530には、高度を指定して自動でそこに行く機能はありませんが
機体の方に現在の高度を維持する機能はあります
まず、G530:自動操縦を使ってみる (2.飛行機自体に設定がいる理由)にあるように
大前提として、機体の状態が「オートパイロットがオンの状態」であることが必要です
この状態で、 希望の高度に達したら【ALT】ボタンを押します
エレベータ トリムの自動調整がオンになっていたら
トリムの上げ下げも自動でやってくれて高度を維持してくれます
これをオンにしないと 以下のことで維持するのがかなり困難になります
以下、余談になります
高度維持の精度について
方法がわかれば理屈はどうでもいいんですが、少しだけ操縦にも関わるので
これだけ書きます
この単元において、 飛行機には3つの力の関係性があります
1.高度
2.速度
3.出力
ここで 3.出力は操縦者が手動で変える物で、かつ、飛行機側(ゲーム側)が勝手に変えられません
使っているジョイスティックのレバーが勝手に動き出すことは・・・まぁ ないですよね
( 旅客機の画面上の話は別)
そこで、出力が 0~10の範囲あるとして、 今 5で釣り合っているとします
1.高度:1,000
2.速度:50
3.出力:5 (比率の話で、数字・単位はてきとう)
いま、高度を固定して、出力を8にあげたら
1.高度:1,000 (固定)
2.速度:70 ←ここが上がるしかない
3.出力:8
速度を固定するなら
1.高度:1,500 ←ここが上がるしかない
2.速度:70 (固定)
3.出力:8
この関係性があります
ここで 出力を2に下げたら
1.高度:1,000 (固定)
2.速度:30 ←ここが下がるしかない
3.出力:2
となるのですが、速度が下がりすぎると揚力が下がり失速する可能性が出て来ます
それでも飛行機側からはジョイスティックのスロットル位置を動かせないので
飛行機側は少し高度を下げるか、本当に失速してしまうかの2つしかありません
つまり、
高度固定に設定したからと言っても、絶対ではない。 ということです
出力がないのに、高度を維持せよ。とされても、物理学的に無理なのですから
その命令を無視する場合がある、つまり 高度がふらつく場合があるということです
また、より厳密に言うと、最初に出した例の
1.高度:1,000 (固定)
2.速度:70 ←ここが上がるしかない
3.出力:8
このケースにおいて、速度が上がるわけですから揚力も増えます。ということは
上に上がろうとする力も増えるということで、これもふらつく要因になります
その他、要因を考えると 機体の重量・大きさ、 俊敏さという性能差まで複雑に絡まり
理屈はいろいろ言えるのですが ようは 機体性能によっても異なると言えます
Cessna Skyhawk では 2,000ft固定にしたいと思えば、 けっこう簡単にピタリと止まり
旋回中も 2,000ftで安定していますが
King Air C90 では、2,000ftちょうどで【ALT】ボタンを押しても、ズレたり
その後に変化したり
旋回中は 特に上下動が激しくなります
なので、(そういうものなので)あまり細かくこだわる必要はないです
もっと 大型機になると自動操縦のプログラムが重なって
知らない間に失速警報がバンバン鳴り出すということもあります
高度を自動にセットしたからといって、絶対ではないし、もう安心というわけではない。
盲信できないし、放置できないという心がけは必要です
[…] 6番:自動操縦で高度を維持する(キングエアC90) […]